LD,ADHD,高機能自閉症への教育的対応

LD,ADHD,高機能自閉症への教育的対応

東京都立中野養護学校のセンター化機能の実際 ―近隣の小中学校への研修支援―

著者名  
ISBNコード ISBN4-921124-22-1 C3037 \2000E
判型/頁 B5判/232頁
発売日 2004年 1月
定価
今、養護学校は何ができるか? 何をなすべきか? 知的障害教育の地域センター校としての役割は? 東京都立中野養護学校が取り組んだ地域の小中学校、幼稚園の教師に向けた“特別支援対象”の研修内容を出版化!!

  • 推薦のことば
  • NPO法人えじそんくらぶの会 東京E-CHAP代表 井手籠 栄理子
  • NPOえじそんくらぶは、注意欠陥/多動性障害(以下ADHD)についての正しい理解の普及に努めるとともに、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体です。
  • 私は、ADHDの親を中心に、本人も含め周囲の関係者の方たちを支援するために、ADHDの会東京E-CHAP(イーチャップ)の代表を勤めさせていただいております。軽度発達障害も含めて特別支援教育に対する親の期待は大きいものがありますが、なんといっても「親の会やNPOとの連携」という文言は文部科学省が平成15年3月に公表した「今後の特別支援教育の在り方について」最終報告の中でも目を引くものとなっています。これまで親と教育者は視点の違いから歩み寄ることが難しく、対立関係となることもあり、その中で子どもの問題が深刻化して、二次障害に発展することも多く、親も子もそして教師も苦しんできた現実があります。軽度発達障害がある子どもたちは今急に増えたわけではありませんが、この子たちは学校で皆と同じように過ごすことが難しいと感じており、そしてそのことを言葉で表現することも難しく、なかなか友だちにも先生にも親にさえも理解してもらえずに、辛い体験をして傷つき苦しんでいます。
  • 日本の教育事情で、皆と同じでなければならないことを要求され、そういう子どもたちの居場所がなくなってきているということも原因となっているのかもしれませんが、現実に問題視されていることは確かです。しかし、欧米ではそのような子どもたちへの特別な教育体制が整えられていて、一人ひとりのニーズに合わせた教育が施されているようです。
  • わが国でも平成15年3月に「今後の特別支援教育の在り方について」の最終報告が出され、今後障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育的支援を行う「特別支援教育」の新しい教育理念に則って、今後様々な取り組みが進行していくことは私たちにとって大変嬉しいことです。
  • このような状況の中で、中野養護学校ではいち早く学校センター化事業として専門的研修会を企画し、通常学級に在籍するADHD・LD・AS・高機能自閉症の「知的発達に遅れがないものの、学習や行動、社会生活面で困難を抱えている児童」への支援教育の在り方や、成人してからの対応に至るまでの実際的な取り組みについての研修会を開催してくださいました。
  • 講師の先生方は現場で実際に携わっておられる方たちで、実際的で素晴らしい内容の研修会でした。この研修会にご招待いただけましたことを本当に感謝しております。また、研修会の内容を出版化するということをお聞きし、この研修の成果を多くの方に知っていただくことができることを本当に嬉しく思います。そしてその推薦の言葉を述べさせていただけることを大変光栄に存じます。
  • 私もADHDの子どもを持つ親であり、私自身も子ども頃その症状を抱え、苦しんでいた経験がありました。今も多少その傾向は残っておりますので、関心も深く、過去に様々な軽度発達障害に関する研修を受けましたけれども、今回の研修会で実際的な場面での対応を学ぶことができ、大変感動いたしました。そして、教育的ニーズのある子どもたちが学級に6.3%いる、つまりクラスに1人か2人は辛い思いをしている子どもたちがいる現実を考え、この研修で学んだ対応が実践されることを大いに期待するものです。
  • 子どもたちが周囲の方たちの温かい理解のもとに学校生活を過ごし、学び、成長することができると考えると、どんなに良いことかと思いました。
  • 軽度発達障害のある子は一見「普通」に見えますから、できないことを努力が足りないとか、怠けているからといった誤解から叱責されることがあり、追い詰められるような状況を経験します。このような出来事は単にできるかどうかといった一次的な問題ではなく、それによって誘発される虐待やいじめなど、子どものセルフエスティーム(自尊感情)の低下を招き、余儀なくされた反抗的態度や不登校という二次障害をもたらすことがあります。こうしたことを予防するために、管理職の方だけではなく全ての教職員、またその支援に携わる全ての方々の理解を充分深めていただくことを切に願うものでございます。
  • 机上の空論ではなく実際的な対応の必要性を痛感いたします。さらにこの特別支援教育は、障害児のみならず、「普通」の子どもたちにも良い効果をもたらす対応だと思います。私は今、子どもたちが様々な社会的な問題を負っていると感じていますが、子どもたち一人ひとりが豊かな心を育んでいかなければ、「普通」と違うということを受け入れることができるでしょうか。日本の社会風土を考えると「皆同じ」を要求されている社会ですから、一人ひとりの違いを個性として受け入れることができにくいのかもしれません。しかし、それができるならもっとみんなが過ごしやすくなりますし、人として素敵な存在になり得るのではないでしょうか。
  • 私は、そのように教育していくことはとても大切だと思います。そこで、コミュニケーションのとり方そのものをも学んでいくことが必要だと思います。そのためには教師の方たちだけではなく、様々な分野の専門家との連携も重要となってくると思います。
  • 個人の努力だけではなく、是非ともシステムとしての特別支援教育を目標とし、校医や養護教諭、カウンセラーなど学校にかかわっている専門家へも、このような研修を推し進めて、理解とよりよい対応を深めていっていただけたらと願います。そして、一人でも多くの協力者が増えることを願っております。
  • 先日、ある思春期の子どもを対象に治療に当たっている精神科医による講演があり、「ADHDを成績の悪いことの理由にしている」という発言があり驚きました。如何に理解のない専門家がまだ多くいるかを実感いたしましたが、これが現実です。特別支援教育が打ち出された今、やっとスタートラインに立ったということなのでしょう。どうか引き続き各地でこのような研修会が開催され、一人でも多くの方たちに正しい理解を得ていただき、これから日本の将来を背負っていくたくましい子どもたちを育てていっていただきたいと願っております。彼らはその力があるのです。ただそのためには今ひとつの温かい支援が必要だということをどうかご理解いただきたいと深くお願い申し上げます。
    この本が多くの方たちの実践に役立つことを確信しております。
  • 最後に、皆様のご尽力に心から感謝するとともに、今後の特別支援教育の推進が成功を収めますよう心よりお願い申し上げます。
  • 平成15年11月
  •  
  • 目次
  • 推薦のことば
  • LD、ADHD、高機能自閉症への教育的対応
  • ―東京都立中野養護学校のセンター化事業研修内容の出版化―
  • NPO法人えじそんくらぶの会 東京E-CHAP代表 井手籠 栄理子
  • 東京都立中野養護学校のセンター化事業について
  • ―特別支援教育体制の構築を目指して―
  • 東京都立中野養護学校長 山口 幸一郎
  • 第1章
  • 今後の特別支援教育の在り方
  • ―LD・ADHD・高機能自閉症への対応―
  • 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官 柘植 雅義
  • 1.はじめに
  • 2.LD・ADHD・高機能自閉症を巡る教育政策の動向
  • (1)調査会議等の経過
  • (2)最終報告の提言
  • 3.支援体制の構築に向けた取り組み
  • (1)国レベルの施策
  • LDモデル事業の成果と課題(2000〜2002)/新規モデル事業のコンセプトと内容(2003〜2004)/特別支援教育以外の関係する事業について
  • (2)各地域の先進的な取り組み
  • 都道府県・指定都市レベル/市町村レベル
  • (3)親の会・NPO等の取り組み
  • 4.おわりに
  • 第2章 
  • LD・ADHD・高機能自閉症の就労と支援
  • 中野区障害者福祉事業団事業主任 就労支援主任コーディネーター 堀江 美里
  • 1.はじめに
  • 2.事業内容について
  • (1)福祉に関する事業
  • (2)就労に関する事業
  • 就労相談/作業指導室の運営/就労支援ネットワーク/企業内授産事業
  • 3.中野区の概要
  • 4.LD・ADHD・高機能自閉症について
  • (1)LD・ADHDとは
  • (2)自閉症とは・高機能自閉症とは
  • 5.四つの事例
  • 第3章 
  • 諸外国におけるLD・ADHD・高機能自閉症への対応
  • ―イギリスを中心として―
  • 筑波大学心身障害学系助教授 熊谷 恵子
  • 1.イギリスにおけるSENのある子どもたち
  • (1)学習困難な子どものケア
  • (2)SENの内容
  • (3)SENの子どもはどのようにして発見するのか
  • 2.支援のプロセス
  • (1)普通校にいる子どもたちの支援システム
  • (2)SENCoの役割
  • (3)SENCoになるために
  • (4)IEPの内容
  • (5)学習障害専門家
  • (6)ラーニングメンター
  • (7)教育助手
  • 3.支援を受けている子どもの日常
  • 4.地方教育局
  • (1)教育心理士
  • (2)学習支援教師
  • (3)行動支援専門家
  • 5.特殊学校
  • (1)中度学習困難児特殊学校
  • 6.NPO団体
  • (1)農場
  • (2)職業センター
  • (3)OSSME Team
  • (4)他機関連携
  • (5)重度学習困難児特殊学校
  • 7.普通教育システムと固定カリキュラム
  • (1)義務教育
  • (2)学校評価
  • (3)高等教育
  • 8.イギリスの教育の問題点と日本の学校への示唆
  • (1)イギリスの教育の問題点
  • (2)日本の教育に関する課題
  • (3)日本の現状整理についての提案
  • 第4章-1 
  • 特別な支援を要する児童生徒の理解と対応
  • ―教育相談での事例をもとに―
  • 臨床心理士 水野 秀美
  • 1.軽度発達障害の障害像と対応
  • (1)ADHD(注意欠陥多動性障害)
  • 診断基準/障害の特徴/学校生活で生じやすい問題とその対応
  • (2)高機能広汎性発達障害(PDD)
  • 診断基準と障害の特徴/学校生活で生じやすい問題とその対応
  • (3)LD(学習障害)
  • 定義と障害の特徴/学校生活で生じやすい問題とその対応
  • (4)発達性協調運動障害
  • (5)境界領域知能の児童生徒
  • (6)てんかん
  • 2.二次障害の発生とその理解
  • 3.特別な配慮を要する児童生徒への対応
  • (1)子供への対応の原則
  • (2)保護者の対応の原則
  • 4.他機関との連携
  • (1)校内支援体制・保護者との連携態勢
  • (2)他機関との連携
  • 第4章-2 
  • 軽度発達障害の児童生徒への対応の仕方、教材の活用
  • 臨床心理士 水野 秀美
  • 1.軽度発達障害とは
  • 2.指導における諸問題の解釈の視点と対応
  • (1)ADHDの多動・衝動性について
  • (2)対応と指導
  • 環境調整/頻繁かつ即座のフィードバック/一貫した方針のもとでの指導/課題に変化をもたせる
  • (3)PDD・広汎性発達障害の多動・衝動性について
  • (4)対応と指導
  • 手もちぶさたな状況を避ける/環境調整
  • (5)コミュニケーショントラブル
  • (6)身辺整理
  • (7)軽度発達障害児の思春期の対応
  • 障害の自己受容/思春期の指導
  • (8)学習指導
  • LDの学習指導/アセスメント/指導目標の設定/教材について
  • 第5章 
  • 自閉症・LD・ADHDの医学的側面と医療との連携
  • 東京都立梅ヶ丘病院副院長 海老島 宏
  • 1.自閉症について
  • (1)自閉症スペクトル
  • (2)自閉症の概念
  • (3)知的障害
  • 知能の定義/知的障害とは
  • (4)自閉症の歴史
  • カナー:早期幼児自閉症の事例/アスペルガー:自閉性精神病質/自閉症/広汎性発達障害
  • (5)自閉症の診断と対応
  • 興味・関心の限局、知覚過敏、機会形成の障害/自閉症の言語の特徴/自閉症のコミュニケーションの特徴/般化学習/延滞模倣学習
  • 2.LD、ADHD
  • (1)学習障害(LD)の概念
  • (2)LD、ADHDの診断基準
  • (3)行為障害
  • 3.LD、ADHDへの対応
  • (1)言語の機能と言語性LD
  • (2)見直し学習
  • (3)内発的な動機付け
  • (4)心の保護機能としての家庭
  • (5)キーパーソン
  • (6)ワーキングメモリー
  • (7)小集団活動
  • (8)日常的な対応
  • 終章1 
  • 東京都立中野養護学校の学校組織
  • ―センター化事業を支える学校構造の創出―
  • 東京都立中野養護学校教頭 加藤 仁子
  • 1.センター化事業内容
  • 2.学校組織改善の内容
  • 3.平成15年度分掌組織
  • 終章2 
  • 特別支援コーディネーターの役割とアンケートのまとめ
  • ―初めての特別支援教育コーディネーターとして―
  • 東京都立中野養護学校教諭 特別支援教育担当主任 宇田川 裕之
  • 1.コーディネーターの役割とセンター化事業について
  • 2.センター化研修会開催に向けての取り組みと実施状況
  • 3.アンケート結果と今後の課題
  • 4.その他のセンター化事業の活動報告
  • 資料編 
  • 資料1 平成15年度 都立中野養護学校 学校経営計画
  • 資料2 平成15年度 都立中野養護学校 特別支援教育・学校センター化事業について
  • 資料3 平成15年度 中野養護学校 夏季休業中研修
  • 資料4 平成15年度 研修案内(特別支援教育・学校センター化事業)
  • 資料5 平成15年度 研修案内(特別支援教育・学校センター化事業)
  • 資料6 平成15年度 都立中野養護学校 夏季休業期間 研修一覧表
  • 講演者一覧
  • センター化事業プロジェクトチーム

新刊書籍

高等学校における特別支援学校の
分校・分教室 全国の実践事例23

2017年10月 5日発売
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「気になる」子ども
保護者にどう伝える?

2017年 9月13日発売
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パブリシティ情報

2017/09/28
北海道新聞2017.9.23朝刊 記事
『「困り」解消! 小学校英語ハンドブッ』
2017/03/02
「リハビリテーション」2・3月合併号 鉄道身障者福祉協会2017.3.1 本の紹介
『参加 −耳が聞こえないということ−』
2017/03/02
肢体不自由教育229 2017.3.10 図書紹介
『マンガ版 ビジネスマナー集 鉄太就職物語』
2017/01/30
日本教育新聞2017.1.30 書評
『特別支援教育における地域のトップリーダーを考える』
2017/01/26
肢体不自由教育224号 図書紹介
『あたらしいわたしたちのうんどう』
2017/01/26
肢体不自由教育227号 図書紹介
『特別支援学校の校長先生スピーチ集』
2017/01/26
肢体不自由教育228号 図書紹介
『障害の重い子どもの授業づくり PART6』
2017/01/26
特別支援教育研究2016.6 706号 図書紹介
『キャリア発達支援研究2』
2017/01/26
特別支援教育研究2016.8 708号 図書紹介
『全国の特色ある30校の実践事例集「通級による指導」編』
2017/01/26
東京新聞2017.1.24 新刊紹介
『見てわかる 意思決定と意思決定支援』
2016/10/24発売
日本教育新聞 書評
『ぱれっと(PALETTE)』
2016/10/24発売
日本教育新聞 書評
『知的障害教育における学習評価の実践ガイド』
2016/10/05更新
菊池桃子オフィシャルブログ「私設 研究室」に掲載されました。
『PTA90事例 ―日本全国! PTA活動運営事例集―』
2016/10/05更新
菊池桃子オフィシャルブログ「私設 研究室」に掲載されました。
『今すぐ役立つ PTA応援マニュアル』
2016/09/24発売
読売新聞朝刊「くらし面」記事
『見てわかる意思決定と意思決定支援』
2016/01/23
東京新聞・朝刊/くらし面「新刊紹介」記事
『マンガ版 ビジネスマナー集 鉄太就職物語』
2016/03/07発売
教育学術新聞 3月2日号 「新刊紹介」記事
『日本の大学の系譜』
2015/08/29
産経新聞ニュース(ニュースウェブサイト)記事
『よこはまist.』
2015/08/23
読売新聞 本よみうり堂 書評
『マンガ版 ビジネスマナー集 鉄太就職物語』
2015/08/01
SankeiBiz(サンケイビズ)書評
『マンガ版 ビジネスマナー集 鉄太就職物語』
2015/08/12
8月12日発売 読売新聞朝刊 くらし家庭欄 記事
『マンガ版 ビジネスマナー集 鉄太就職物語』

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